
本日は品質保証グループで、現場で検査も担当されているY様にお話を伺います。本日はよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
設備を使い始めて2年くらい経ちますが、そもそもANALYZERを導入したキッカケは何だったのですか?
人に頼った検査に限界を感じ、改善案を検討し始めていた時に、親会社の生産技術担当から紹介され、商社を通じて製品を実演してもらったのがキッカケです。
初めてご覧になられた時の印象はどんな感じでしたか?
正直、驚きました。
ワーク1個の検査が数秒で終わるスピードに加え、今までの人のスキルに依存していた検査は、習得時間がかかるのみならず、個人差や疲労、その日の体調などがばらつきの原因になります。
しかしながら、機械は設定通りに動作し、かつ安定した判断をすることが可能であり、これであれば作業者の負担が軽減され、現場の困りごとの解決が可能と実感しました。
まさに「渡りに船」でした。
ちなみに今までの人による検査は、どのようにされていたのですか?
ANALYZERの導入前は全数ボアスコープで検査しておりました。
非常に集中が必要な作業であり、穴径も細いので、神経を使います。作業者の肉体的な負担も大きく、時間のかかる作業でした。残業しても、月に数千個を出荷するのが限界でした。
ANALYZERの導入後は、どう変わりましたか?
導入後はモニタ画像を見ながら、気になったワークだけ(2~3割程度)をボアスコープで確認してます。
検査残業はなくなり、検査時間が削減されたにも関わらず、従来の約倍は出荷できるようになりました。
それは、かなりの改善ですね。
そうですね。雲泥の差だと思います。
立ち上げ時には色々とご苦労があったと思うんですが、その時の取り組みで、検査規格を見直すと仰っていたと思いますが、あの件はどうなりましたか?
はい、実施しました。
例えば、もともと数十μmをNGにする規格でしたが、性能・耐久試験を実施し、安全率も考慮した上で約倍の基準まで緩和できました。
人によるばらつきを考慮していたが故の過剰な規格値を設備化による適正な値に変えることができました。
ANALYZERで規格どおりの判定条件を設定してしまうとNG率が高かったので、規格の見直しに着手されたんですかね?
そうですね。それもありますが、実は昨年、納入部品に不良が多く、そのすべてを処置することは非常に困難で、不良率が悪化した場合でも製品として出荷できる方法を検討しており、規格を見直すアクションになったのもあります。結果的に規格を見直しても、製品として問題なく、過剰検出も減り、不良率も下がりました。
協力企業様には、検査前の洗浄工程に加え、鋳造や加工条件の見直しもお願いしたり、最初は立ち上げに苦労しましたが、今まで実施できなかった規格の見直しに着手できたことは、会社にとっても良い方向だと思います。
ANALYZERで撮像して、穴の中が展開図として画像で見える化されたので、協力会社の皆さんにも具体的な改善のお願いができるようになったのですかね?
そうですね。ボアスコープの場合、協力先様への状況伝達が難しく、把握してもらうにはその品物をボアスコープで確認してもらう形となるところ、ANALYZERでは展開図として把握でき、その画像をアウトプットすることで位置やサイズ等の伝達が行えるようになりました。
その結果、協力先様と同じベクトルでより良いモノを作ろうという雰囲気が醸成されるとともに、社内においても同じく士気向上につながりました。
ANALYZERが前工程の改善にも役立って嬉しく思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!